目次
主要株価1週間の指数推移(2023/3/29更新)
金融業界のシステム不安がある中、なんやかんやでVIX指数は下落、株は小幅に高い。
欧州ではクレディスイスの買収、ドイツ銀行の株下落もあって、アメリカ、日本に比べるとさえない動き。
日経平均は配当権利付け最終日に向かって上がっていきました。
米債券利回り1週間の動き(2023/3/29)
金利上昇の影響を受けやすい短期債券利回りが上昇。
長期金利は下がっている状態。金利低下を狙ったハイテク、ディフェンシブ銘柄買いが一服し、本日は売られているためナスダック指数は総じて弱かった印象。
為替1週間の動き(2023/3/29)
今週はポンドが強かった印象。金利上昇が終わりかけているドルの上値は重く、他の国の通貨が上がってきている。
2023年今後の相場展開
2023年の第一四半期が終わりました。
WBCありき、3月に始まったSVB破綻事件からのクレディスイス買収はシリコンバレーバンクのファーストシチズンズバンクシェアーズグループによる引き受けで一つ決着がつきそうです。
今年はハイテク銘柄や中国関連株のリオープンによる上昇を通じてグロース株、新興国株が上げてきていました。インフレ率は下がっては来ているものの依然高止まり水準、雇用や賃金も引き続き堅調な数字が出てきてこのまま利上げが年内は続くんじゃないかという警戒感の中で起こった
シリコンバレーバンクの破綻
まるでこの3ヶ月が嘘だったかのような展開です。
金融のシステム不安が募る中ですが金利の急激な上昇も一つの原因なのではという声も増え、2023年5月には利上げを止め、その後利下げを予想する専門家も増えました。
さて、今回は各種金融機関のレポートなどを基に今の現状と今後の展開を予想していくとしましょう。
ターミナルレートはどこか
最近の金融システムリスクによってターミナルレート(FEDがどこまで金利を最終的に上げるのかというゴールの金利水準)がどこかという市場予想は大きく動いたところです。
本ブログ執筆時点(2023年3月28日)のターゲットレートは4.75%~5%ですが、今後の動きは市場でも割れているところです。
ここから5月6月据え置きという予想が今のところ大多数ですが、
7月には利下げを予想している人が多い状況です。
こちらゴールドマンのレポート抜粋ですが、市場のターミナルレート予想は、SVBの破綻が始まったあたりから大きく下落していることがわかります。
市場の予想からすると、ここからさらに大幅な金利上昇は見られないことがわかります。
インフレを抑えるためには
インフレを抑えるために金利を上昇させてはいますが、このインフレがいつ落ち着くのかというのは過去のデータからすると失業率の上昇が必要だということがわかります。
特に最近落ち着いていないサービスのインフレ率(上グラフ)ですがこれはより失業率と逆に動きます。今のコアインフレを抑えるためには失業率の上昇が必要なわけです。
こういった失業率の上昇には大きなショックが必要ですが、個人的には今回の金融システムリスクが大きなショックになるかと思いましたが、まだコアインフレ率は5.5%(下記グラフ)です。
source: tradingeconomics.com
失業率は3.6%と前回の3.4%から徐々に上がってきました。(下図)
source: tradingeconomics.com
ここからの展開で景気後退が陥るとすれば、銀行セクターが混乱と金融引き締めからバランスシートの健全性を確保し預金者を安心させるために企業や個人への融資を抑制しだすことです。
借り入れコストが上がると世界的な景気後退を生み出す可能性があります。
パウエルFRB議長もこういった破綻に伴って予想される信用の引き締まりの影響は「利上げと同等か、それ以上」と述べました。
ただ、インフレが期待されているほど鈍化していない点と雇用市場も強い点からいうとこの金融システム不安で経済がもう少しダメージがないと金利を上げる方法で対処しないといけないことになるかもしれないですね。
今後の予想
個人的には以前「暴落シナリオ」を紹介したブログ通り、利上げの後は据え置き、からの利下げが来ます。そして利下げのタイミングでは株価は暴落しています。
今シリコンバレーバンク→シグネチャーバンク→クレディ・スイス→ドイツ銀行
というように飛び火していますが、根本的に問題になっていることはそれぞれ違います。(今回は説明しませんが)しかし大きく見ると金融システムリスクは広がっています。
前項で述べた通り、金融機関が資本維持のために貸し出しを引き締めたらそれが経済に波及するリスクがあると考えます。
〇〇ショックという形ではこないかもしれないですが、じわじわ株価が落ちて失業率が上がると利下げの展開になりそうですね。
そこで今後の投資戦略は米国、欧州の金融関係の株を除き、「危ないものは触らない」戦略がいいかと
そこで目をつけてみるのが
我らが日本株
ずーっと成長してなかった日本株がここにきて登場。
上がってなかった分この利上げでも下がりにくかったことで有名です。
UBSのレポートでは中国株が魅力的という図になっていますが、日本も合わせて注目されています。
金利の上昇も一服し、今までぐいぐいあがっていたドル円が下降トレンドに入って上値は重いと考えます。
さらに植田新総裁も最初は黒田さんの流れを引き継ぐでしょうが、だんだん金利を上げる方向に動くんじゃないかとも予想しています。
結論:2023年今後の投資アイデア
USDJPYの売り(レンジ)、EURUSDの買い
これは単純にアメリカの利上げがいったん落ち着くにあたってドルが下がり、他通貨との比較を行ったところ、今まで過剰に上がりすぎていたドル円の下落または下目線が続くということでドル円はレンジ状態になる可能性が高いです。どちらかというと円高方向に見ている人が専門家の中でも多いイメージです。
いまだにインフレを抑えることを頑張っているECBが引き続き利上げをすることから予想したものです。クレディスイスの影響で少し欧州の方で広がる金融システム懸念にもかかわらず引き上げた金利から、インフレ優先の考え方が見て取れます。
米株少し上げたところからの売り、そして仕込み
年後半利上げに入るときにはおそらく失業率があがり、株は下がってきます。
とりいそぎ何か警戒することといえば金融システムリスクではありますが、株が少し上がったところから一気に落ちるタイミングを狙うのも良し、
待っておいて下がったのを仕込むのも良しだと思うので仕込める現金を取っておくのがいいと考えます。
バリュー日本株の買い
実は年始からのドル安円高もあり、ここ最近のドルで見た時の日経平均のパフォーマンスはかなり良くなっています。
こちら去年の年末を100としたときのドルベースで見た時の日経平均株価とS&P500のパフォーマンス比較です。
ご覧の通り、日経平均が特に3月から大きく勝っていることがわかります。つまり海外の人からしたら
「え、日本株めっちゃ調子いいじゃん!」
となっているわけです。
さらにこれに拍車をかけているのが東証が勧める「フォローアップ会議」です。これらの中でも東証が各企業に要請を出しているのがPBR1倍割れの企業への取り組み開示です。
つまり今日本のPBR1倍割れ企業、いわゆる割安銘柄はなにかしらの株価を上げるための取り組みを出せと言われており、岡三証券やダイヤ工具など続々と改善案が出ています。今後も銘柄を買うときにはPBRを要チェックです。
それに合わせて株価も上昇しているわけです。さらに2024年は新NISAの導入年です。こういった新しい制度導入で投資家が広く投資できるタイミングに合わせて日本株も買ってもらいたいという狙いですかね。
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