目次
主要株価指数推移(1週間)
久しぶりの更新です。株は全体的に米国、日本は弱い印象。アメリカの祝日をまたいだことで薄商いだったことも原因。
目立つのは香港株。中国ではゼロコロナ政策に対する市民のデモが行われているが株価はさほど影響を受けていない印象。どちらかというとコロナ対策緩和によるリオープンへの期待から中国、香港株は上昇している。
今週火曜日、中国政府がもともと設けていた不動産企業への規制を解除したことによる大幅な上昇が関連している。もともと融資と債券による資金調達を促進するために株の調達を禁止していた。それが解除された政策緩和により不動産セクターや銀行セクターを中心に3%近く上昇している。
S&P500はちょうど200日移動平均線で跳ね返り、テクニカル的にもベアラリーがいったん落ち着いたように見える。今週のFRBのパウエル発言と雇用統計に注目。
債券利回り
米10年債利回りは9日からしたら大幅に低下、インフレのピークアウトという市場の声も多く、長期金利が収まってきた。一方為替にも影響しやすい短期金利の方はまだ下がらず、年末の金利動向をうかがっている状態。
12月の市場予想は50BPSの利上げ。いままで75BPSの利上げを連続で行ってきたため、今回50BPSだと少し利上げペースが弱まったことになる。ここでさらに75BPSの利上げという結論が出れば、もう一段株は下げて、ドル円の上昇を生むだろう。
とはいえ、金利に敏感な市場から業績相場へと切り替わってきているので企業自身の力を見極める必要がある。
ポンド、ユーロともに弱く、ドルはヨコヨコの推移。カナダドルは原油が下がり売られている印象。てかそもそもどれもさほど動いていないので全体的に動きが鈍い。目立ったニュースもなし。
コモディティ
アメリカのインフレはピークアウトしたものの、もろもろのコモディティは面白い動きをしている。今週トップの上昇はコーヒー豆
逆に天然ガスは大幅に下落。ちょうど1週間前が頂点であり、上昇トレンドの中なので押し目買いにはちょうどいい地点。特に暴落というわけではない。アメリカDTNの気象データによると、火曜日と水曜日に西部から中西部に押し寄せる寒波が発生、凍るような空気と冬の嵐が中央部から五大湖を通り東海岸まで拡大すると予想され強い暖房需要を生み出し、買い支えられたと報じられています。「住宅用および商業用の需要が大幅に増加している」とのこと。
意外と日本人が知らないゴールドマンサックスの歴史 その1起源
意外と知られていないゴールドマンサックスの歴史。新卒で入社すると世界中からニューヨークの本社に集められ歴史の勉強から始まる。
そもそもなんのビジネスをしてどのように大きくなったのか他であまり聞かないと思うのでこちらで解説してみます。(諸説ありのため概要のみ)
詳しくはTwitter(スペース)にて解説しております。
舞台は1886年ニューヨーク、ユダヤ系移民のマーカスゴールドマン(右図)はもともとアメリカに渡ってきた後商人として仕事を始める。
ある程度小銭を稼いだ彼はニューヨークに入り、銀行が貸してくれないくらいの小さい企業にビジネスを見出して、短期的に貸し付けをするショートタームローンというのを開発した。今でいうとコマーシャルペーパーである。小さい企業の貸し付け債券を投資家や金融機関に売るビジネスを始めたのがゴールドマンサックスの始まりである。
その2 新しいビジネス
その後彼は引退し、事業を義理の息子であるサミュエルサックスに事業を引き継がせた。
1896年サックスは会社を160億円企業へと成長させた。その時の役員は当時5人だったという。
CPをトレードしたり発行したりするビジネスはそのころ縮小の一途をたどっていた。そこで19世紀後半に目を付けたのがIPO(株式公開)である。
このころIPOは高貴な職業だと考えられており、イギリスやヨーロッパの会社がする仕事だったためユダヤ系のゴールドマンは外に追いやられていた。
そこで彼らはユダヤ系の会社のIPOを狙ったのだ。
その3 SearsのIPO
1897年Searsという小売りの会社の価値は当時25万ドルだった。しかし売り上げを急速に伸ばしており、1905年には売上が370万ドルになり、利益は280万ドル残っており、IPOするにはもってこいの候補であった。
このときゴールドマンはIPOを試みるがまだ力が足りなかったためとあるユダヤ系金融機関と手を組むことになる。それがリーマンブラザーズだ。彼らはともに3000万ドルの普通株の売り出し、1000万ドルの優先株を売り出した。このIPOが成功しより多くの企業がゴールドマンにIPOを依頼するきっかけとなった。
その4 稼いだお金で投資
このIPOが成功し、1914年ゴールドマンはウォールストリートでも有名な会社になった。株、債券、IPOの手数料など大量に稼いだゴールドマンはこれら儲けたお金を投資する先を探すことになる。
このときアメリカは1920年代。バブル絶頂期。ゴールドマンはトレーディング会社をつくり、株式投資にのめりこむ、IPOを組み合わせると資産価値は一気に10倍に膨れ上がった。市場に株を出せばだれもが食いつく時代だったからだ。
その5 バブルの崩壊
1929年、世界大恐慌といわれるこの出来事であるが、バブルが崩壊する。当時多くの人が職を失い連鎖倒産が相次いだ。トレーディング会社はほぼ資金が残らず、何百という会社が倒産している中、ゴールドマンはギリギリ生き残ったのである。この時ほとんどお金はなかったがある男によって顧客をつなぎとめることができた。
その彼がシドニーワインドバーグである。彼はもともとブルックリンの貧しい家庭出身で11人兄弟の3番目。家計を支えるために高校を辞めて働きだした彼の強みはネットワークだった。
数々の大企業の社長と仲良くできるネットワークを持っていたことにより投資銀行事業は救われた。
その6 FORDとGEのIPO
バブルがはじけてトレーディング会社が潰れても彼のおかげでGSは生き延びた。このころIPOで目をつけたのが当時アメリカで2番目に大きな自動車会社であるFORDである。初代は株式市場に悲観的な目線だったが3代目になって取り入ることにより見事1950年アメリカ史上最大のIPOを成功する。
FORDとGSのIPOを成功させたことで、ゴールドマンはアメリカでもっとも有名な投資銀行になる。彼らはお金を稼ぐことが目的だったのではなく他人に勝つことが信念であった。絶対勝利。
その7 ブロックトレードの開発
大金を稼いだゴールドマンはまた運用先を探す。この時出てきたのがガスリーというトレーダーである。彼はアービトラージの一つとされるブロックトレードを編み出した。
一つ当たりの儲けは小さいがゴールドマンはレバレッジを使うことにより大きな資金を運用し稼いだ。
1960年にシドニーが引退後この功績がたたえられガスリーが新社長となる。このころトレーダー出身の人が社長になったのは歴代初だった。彼はトレーディングビジネスを拡充させる。
その8 思わぬ転落
このころペンセントラルという東西をつなぐ鉄道会社が1.2Bドルの借金をもちさらなる資金を必要とし、ゴールドマンの元にやってきた。このころGSは1億ドルのCPを発行することになり。多くの投資家がGSが言うならということでお金を投じたがこの会社は利益を上げることが困難になり破産する。これらCPは紙くずとなった。GSは自分たちで鉄道会社の評価を挙げてCPを発行して配っていたのだ。この事件により、GSは投資家の損失を一部補填することになるが保険によって賄われたという。
1970年にCPが紙くずになり、この時社長のガズリーは出張中に脳卒中で倒れることになる。
その9 新社長は海軍出身の人
ゴールドマンの中で彼に代わる人は一人しかいないということで挙げられたのがジョン・ホワイトヘッドである。彼は第二次世界大戦で海軍兵士として活躍した軍人出身で、面接者を永遠に待たせる面接方式で有名だった。完全に兵隊を生み出すことに尽力した。
彼はゴールドマンの勝ち方が見えていた。ゴールドマンは他の会社と違い圧倒的なクオリティのサービスを顧客に届けるべきだと。そして1980年。ホワイトヘッドのもとゴールドマンは4億ドルの売り上げをあげ、これは前年比+60%であった。
彼は引退後ロナルドレーガンの参謀としてホワイトハウスに入ることになる。
その10 インサイダー事件
ホワイトヘッドの引退後ロバートルーベンという人に社長は移る。彼はオプショントレーディングを発展させた。このころ1987年にシニアパートナーであるロバートフリーマンがインサイダー取引で逮捕された。それもオプショントレードを使ったものであった。
これによりゴールドマンの評判は地に落ちたが落ちてからの復活に関しては慣れたもので1993年にはゴールドマンは2.7Bドルの利益を主にはトレーディングからであるがあげて合計9
8Bドルの資産を扱っていた。
その11 IPO
1999年、さらに資本を必要としたゴールドマンんはIPOを行い3.7Bドルの売り出しを行う。その後2000年に入り、モーゲージが流行りだす。2007年にリーマンショックによって崩壊するまで多額の利益をモーゲージであげた。
サブプライムショックによってベアスターンズは買収された。
その12 新サービス、マーカス
アメリカで一般投資家を対象にしたロビンフットという証券会社が盛り上がるのを見てゴールドマンも新サービスマーカスを立ち上げる。
なんども落ちてもはいあがるそんな根性をゴールドマンの歴史から垣間見えますね。どのビジネスも最初から潤雨満帆にきたわけではなく、落ちた時の復活が一番重要だとわかります。
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