SVBのニュースから始まり金融機関への不安はアメリカだけかと思いましたがまさかの飛び火して欧州に広がりました。スイスの歴史あるクレディスイスの株価も急落しています。今回はPart2でこちらの解説もします。
スイスと言えばみなさんどんなイメージでしょうか。
おそらくこんなイメージじゃないですか?
ツイッターではCredit Suisseの文字になぞってDisCredit Suisseとディスられております。(クレジットは信用という意味があり、ディスクレジットは信用を無くすという意味)
実はこの銀行、ここ10年くらいでいろいろやらかしており、そういったのが積もりに積もった結果のように感じます。
主な経緯と今までのやらかし
直近の引き金は筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンク(SNB)が追加出資できない15日に明らかにしたことを受けクレディスイス株はチューリヒ市場で一時30%安となっています。
発生年 | 概要 |
---|---|
2009年 | イランなど米国の経済制裁の対象となっている国の顧客に代わり巨額の取引を隠ぺいしたと提訴されて米当局に5億ドルの罰金 |
2014年 | 脱税ほう助の罪で総額28億1500万ドルの罰金 |
2021年 | アルケゴス事件で44億スイスフラン(約5200億円)の損失 |
2021年 | グリーンシル・キャピタルのファンドについて保有するローンが通常数集荷に内に支払われる売掛債権によって裏付けられているため安全だと言って販売していたファンドが凍結。破綻で2022年に73億フラン(約1兆円)損失計上。 |
2022年 | 住宅ローン担保証券(RMBS)を目ぶり投資家を欺き詐欺や欺瞞に関与したと主張され、和解金4億9500万ドル(約735億円)を支払うことで合意 |
2022年 | マネーロンダリング(資金洗浄)防止義務違反で元社員が有罪判決をもらい、210万ドルの罰金と当該麻薬組織口座を設けて保有していた1200万フラン余りの資産没収を命じられる。 |
2023年3月14日 | 過去2年の財務報告と管理手順に「重大な弱点」があったとしてSECに指摘を受けて財務報告書の見直し |
2023年3月15日 | サウジナショナル銀行からの追加出資否定 |
2023年3月16日 | スイス中央銀行からの流動性援助を受けることがニュースで出る。 |
スイスの過去の時事ネタやニュースになっていないようなネタまでまとめている「スイスのヒミツ」ってサイト面白いので参考にしてください。
CDSの上昇
クレディ・スイス株は3月15日ニュースが出た日、チューリヒ市場で一時31%安。終値では24%安となりました。
クレディ・スイスがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性に備えてクレジット・府デフォルト・スワップ(CDS)も急上昇です。CDSは破産保険とも呼ばれており、その会社が破産した場合に保険金が入る商品です。つまりこれが大きく買われるということはみんながやばいと思っている証拠です。リーマンショック並みの水準らしいです。
前々から不祥事は繰り返している銀行なので(見ての通り)あまり驚きは普段ならないかもしれないですが今回はタイミングが悪くアメリカで3行銀行が破綻した後だったのでより世界は警戒モードです。
つぶすには大きすぎる銀行
16日、スイス国立銀行(中央銀行)の資金供給策を使って500億スイスフラン(約7兆1000億円)を調達する用意がある、とクレディスイスが発表しました。
悪い悪いとは言われてはいますが投資銀行部門を解体したりいろいろと財務改善を図ってきた経緯があります。機器局面で対応できる手元資金の水準がわかる「流動性カバレッジ比率」通称LCRは現時点で約150%。2022年末は144%だったので改善はしています。
そもそもクレディスイスはスイスからしたらつぶすには大きすぎる銀行なのでみなさんが予想するように簡単にはつぶれないと思います。
それでなくても財務状況はさほど悪くもなく、ただサウジナショナルからフラれたってタイミングが悪かったのが原因です。
永世中立国でいろいろな国から安全資産としてお金を預かっている反面危ない人たちとも多くかかわっていることがわかりますね。
最悪UBSとの合併くらいはあるかもしれませんが、国がこの銀行をつぶすことはしないでしょう。
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