2021年には20%以上の上昇を見せたカナダ不動産。2023年から2年間外国人の購入を禁止するくらい価格が沸騰しているって知っていました?
トロントもバンクーバーも2021年から不動産価格は爆あがり。
前々から注目していたカナダ不動産、今回機会ができたので
どんな物件があるのか、急上昇の理由は何か、実際のところどうなっているのか。調査してきました
- カナダ不動産は販売価格が2021年に20%以上も上昇している
- コロナが不動産価格上昇を後押し?低金利政策によりマイホーム購入者が増加
- 海外投資家に目をつけられてうなぎ登り
- 少子高齢化により不足した労働力を補うために政府は移民政策をすすめている
- 住宅価格が沸騰しすぎて2025年までは海外投資家の購入は禁止
- インフレしすぎたため金利引き上げが行われ現在は5%に据え置きされている
この記事ではもともと家賃4000円の建築学生が米国大手証券会社ゴールドマンサックスに入社して勉強し、その後人生を通して投資を行っている筆者が、
実際に今から金融、投資の勉強をはじめてみようという方に向けて知っておいてほしい知識を紹介します。
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今回、全米不動産管理協会(IREM)が認定する不動産経営管理の資格(CPM)のグローバルサミットがカナダ・トロントで開催されることになりました。
実は昨年、不動産経営管理の資格(CPM)を取得しており、不動産売買は40億円ほど実績を残しました。
過去のブログを読んでいただいている方はご存知でしょうが、日本で一番地価が上昇しているニセコ・ルスツの土地売買も行なっており
日本国内からよりも海外投資家からの依頼も増えてきたため、海外不動産業者との繋がりをより強化するため
世界中の不動産業者が参加する、年に1度開催されるこのサミットに参加致しました。
目次
CPMってどんな資格
不動産経営管理士(CPM)って不動産業をやっている人なら聞いたことがあるかもしれません。
日本では全然メジャーじゃないのですがアメリカでは80年以上の歴史があります。
IREMとゆう会社が発行している資産管理を行う資格で
「オーナーの利益の最大化」のために、運用計画書やマネージメントプランの作成、コンサルティング実務など多岐にわたり深い知識が求められます。
この資格の取得がめちゃくちゃ大変、しかも取得までに約100万もかかります
しかし、アメリカでは「不動産を買う前に優秀なCPMを雇え!」と言われるくらい重要視されている資格でIREMによるとこの資格を取得しているか、していないかで年収が1000万以上も変わるそう
サミットは年に一度各国で開かれます。
「貯蓄から投資へ」とお金の勉強を促している日本でもこの先CPM資格取得者が増えていくかもしれません。
カナダ不動産が上昇している理由
トロントの不動産上昇
カナダの不動産は1980年代から昨年までずっと上昇しており
特に2021年、2022年の売買件数、不動産価格共に上げ幅は大きく、世界でも注目されていました。
2020年春のコロナウイルス感染拡大で世界中の景気は大打撃
「景気後退を食い止めよう!と世界中低金利政策が取られました。カナダも例に漏れず。
住宅ローン金利も1%〜2%以下と記録的な低さに。そして急激なインフレーションを招きました。
家賃も高いしローン組んで持ち家買うか。とマイホーム購入者が増えました。不動産価格が上昇傾向に
さらにカナダ政府は人口と経済拡大のため、移民の受け入れに力を入れています。面積的にはまだまだ余裕そうですが、人口の増加に建築が追いつかなくなり、不動産が上昇傾向に
そこに他国(主に中国)からの投資家たちが目をつけ、投資用に物件を購入した結果、供給が不足し、価格高騰に拍車がかかりました。
2025年までは海外投資家の不動産購入禁止!?
不動産価格が高騰すると賃貸価格も比例して沸騰。現地の人々が購入できない、賃料が高すぎる。と現地の人々の住む家がなくなり社会問題に。
カナダ政府は2025年まで年間50万人の移民を受け入れる政策を掲げていますのでこのまま海外からの投資家に購入され続けては空き家は増えていくのに現地住人の住む家がなくなってしまいます。
そのため、2023年1月1日から2年間外国人による投資目的の不動産売買が禁止される法案が設けられました
2025年には目指しているインフレ率に届くだろうとの政府の予想より、海外投資家の不動産購入規制を2年間と設けていますが状況が改善されてなければ長引く可能性も十分にあります。
ダウンタウンとハーバー周辺物件
トロントで人気のエリアダウンタウン周辺、ナイアガラの滝周辺、ハーバー周辺で物件を実際に見てきました
まずはダウンタウン周辺、この辺りは学校が近くにあり、学生に人気のエリアなのだそう
今回見学したダウンタウン周辺の物件の相場は1または2ベットルームで賃料2800カナダドル〜4000ドル
18階、1ベットルームでキッチンとシャワールームがついている
販売価格は日本円で6400万円ほど
カナダで最近、物件価格を初めは低めの設定で公開し、応募者が集まり次第オークション形式で販売価格を決める方法が流行っているそう。
なのでこの価格で購入できるかは内見に行った時点ではわからない
ちなみにアメリカやカナダでは平米数を平方フィートで表します。1平方ftは30.48cm×30.48cmなので我々には馴染みがなく少し想像しにくいです。
今回、我々が見学した物件の平均費用は1平方フィート4ドルから5ドルなので1平米約13ドルから16ドルです
また、平米数が〇〇〜〇〇となっているのは正確な面積は計算しないらしいです…
日本と大きく違うのは管理費が割高なこと、こちらの物件はどこも4万円〜高いところだと10万円を超えてきます
このせいでやはり借り手もつきにくいらしい…
お次はハーバー周辺のマンション
こちらは600〜699スクエアフィート(約56平米、16.9坪)
1ベットルーム、キッチン、シャワールームがあり7階
価格は6400万円〜
マンションのプールやジム、ゲストルームなど施設のレベルによっても価格が左右されます
- ダウンタウン周辺エリアは学校があり、シェアする学生に人気
- ダウンタウンもハーバーエリアもそんなに不動産価格は変わらない
- 1、2ベットルーム55平米〜60平米で購入価格7000万円前後
- 高層マンションが多い
- 日本と大きく違うのは管理費が非常に高いこと
- 利回りは5、6%現在のカナダの金利は5%…
ナイアガラ周辺物件
ナイアガラに行くまでのルート、クイーン・エリザベス・ウェイを挟んで右と左で建設されている建物が全然違っていて
右側は商業地域で工場が多く、左側は住居地域になっており
ナイアガラの滝に近づくにつれカジノやゲームセンター、映画館など観光地が広がり、住宅も増えてくるのですが
この辺りの新築物件は約5年で20%〜30%キャピタルゲイン(資産価値の上昇)が見込めます。
物件価格は3000万〜4000万。高いところでも9000万程
現地の人によると、周辺住居は結構airbnbで貸し出されていて
理由は、ナイアガラの滝周辺は観光に訪れる人に対してレストラン数が非常に少なく
どこも行列ができるそう。それを知っている人はホテルではなくキッチンがついていて料理ができるairbnbを利用するのだそう。稼働率は90%
上の画像のゲストルームだと11月は一泊7546円で貸し出されているのでベースに年間利回りを計算すると
8%!
そしてナイアガラの滝に向かう道中、クイーン・エリザベス・ウェイ近辺には4つの空港があり、空港の建設も不動産価値を上げる大きな要因となっています
なんだかダウンタウンの周辺の物件よりも魅力的に感じてきました
しかも、カナダでは海外投資家の購入を規制しているため2023年以前でもインカムゲインには25%
キャピタルゲインには50%の税金が課せられます
多額の課税を回避するためにはカナダ現地で会社を登記する。自分自身が住む。この2択なようです。
会社登記を行いたい場合はサポートに入ってくれる企業もあります
- ナイアガラの滝に近づくにつれて観光地が広がる
- ダウンタウンやハーバーに比べて購入価格は安い
- レストランが不足しているため、ホテルよりもAirbnbが人気
- 1000件ほどヒットするが稼働率は90%にものぼる
- ナイアガラに向かうメイン道路周辺に空港ができ、地価が上がった
2022年は価格が下落
カナダ不動産協会によると22年2月の平均不動産価格の7700万円をピークに23年の頭には13%下落しているという
2022年3月から低金利政策によりはじまったインフレーションを抑えるために金利見直しがはじまり、10回に渡る利上げが行われました。
現在、カナダ中央銀行は政策金利を5%に据え置くと発表しています。
2020年、2021年の住宅ローンが安い時期に、2023年以降建設される物件を購入契約していた人たちは
完成前に20%の頭金を支払い、完成時に残り80%分のローンを組み支払う予定だったのが金利上昇により家賃利回りと割が合わなくなったので
少し安い価格でもいいと不動産物件を投げ売っている状況
こうして下落トレンドがはじまったのです
それでもカナダは依然基調的なインフレが持続されている。必要があればさらに政策金利を引き上げる姿勢です。
トロントの不動産物件は実際投資に向いているの?
現地で街を見て周り、勉強してきた結果。個人的には
今は投資に向いていないと感じました。
2025年まで購入できないのはもちろんそうなのですが、抜け道はあり、会社登記をカナダですると購入できます。手伝ってくれる企業もあります。手間と、キャッシュで購入できる人なら別ですが、ローンを組むのなら5%の金利はやはり高すぎる。と、この結論に至りました。
しかも、カナダでは海外投資家の購入を規制しているため多額の税金が課せられます。
今のところカナダ不動産へ日本から投資するのは全然おいしくないのです
もし購入するとしても、ダウンタウン周辺のマンションよりもナイアガラの滝周辺のairbnbの方が今は利回りが良さそうです。
- 2020年から不動産が上昇していた理由はコロナにより住宅金利が大幅に下がったから
- 価格が高沸しすぎて現地住民や移民の住む家がないと社会問題になった
- 2023年より投資家の不動産購入に規制を入れ、インフレが落ち着くまで様子見
- ナイアガラ周辺はお手頃な価格で不動産が購入できて、Airbnb効果で利回りがいいので人気
- 2022年からは金利引き締めにより不動産購入価格も下落
- 海外投資家が購入した場合、税率がインカムゲインに25%、キャピタルゲインに50%
- 今はカナダ不動産は投資には向いていない
まあ、次の上昇トレンドはどこの国かで絶対に来るのでその時に向けて勉強しておこうと強く思いました。
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