株式投資をするうえで理解しておかなければならないワードがあります。
それが
セクターローテーション!!!
なんか強い技名みたいですね。
ヒーローものの必殺技とかでありそうです。
これはマーケットにおいて各業種が順番に買われていくサイクルのことをいいます。
この記事では投資をある程度行っている中級者向けに、「今どこに投資家の資金が流れているのか」方向感を見定める方法をお伝えします。
「そんな投資にサイクルとかあるの?そんなんわかったら誰でもお金持ちじゃない?」って思いますよね。
もちろんいつ切り替わったかというのは一概にはわかりません。
しかし次この業種が来るんだなというのを理解しておくのとおかないとではむやみやたらと投資するのとしないのとで大きくメンタル的に差が出ます。
このセクターローテーションがわかると、、、、
今日はそんなセクターローテーションを解説します。
なお、個別でもっとこのセクターの使い方を知りたい、使ってみたいという方はぜひ無料のライングループからなんでも聞いてくださいね。
目次
- 1 セクターとは
- 2 金融クマさんTwitterアカウント
- 3 セクターの特徴(シクリカルとディフェンシブ)
- 4 シクリカル銘柄とは
- 5 主なシクリカル銘柄が入る業種
- 6 ディフェンシブ銘柄とは
- 7 主なシクリカル銘柄が入る業種
- 8 金融(Financials)
- 9 不動産(Real Estate)
- 10 テクノロジー(Technology)
- 11 一般消費財(Consumer Discretionary)
- 12 資本財(Industrials)
- 13 素材(Materials)
- 14 エネルギー(Energy)
- 15 生活必需品(Consumer Staples)
- 16 公益事業(Utilities)
- 17 ヘルスケア(Health care)
- 18 コミュニケーション(Communications)
- 19 まとめ
- 20 おまけ(今どこなの?)
- 21 マネトレ大学
- 22 まずは無料LINE登録で特典をGET
セクターとは
セクターがローテーションするからセクターローテーションなんですが
そもそもそのセクターってなんやねん?
ってなりますよね。
これは結論業種のことをいいます。
日経平均もS&P500もいろいろな業種が混ざってできています。
その業種ごとに見ていけば大きな動きを把握することができるのです。
なぜこんなにも業種が重要視されるのかというと、
個別銘柄の動きは約40%がセクターの動きの影響を受けているといいます。
私が教えるマネトレ大学でも
「森を見て林を見て葉を見ろ」
ということを教えています。
つまり、指数→業種→個別銘柄という見方を徹底することによって今見ている銘柄が上がっている理由、下がっている理由がわかるのです。
具体的にどのような業種があるのか。
私が毎朝Twitterで上げているレポート。しっかり見ていただいている方は「あーこれかー」ってなるかもしれません。
まだ見たことないよ、という方は下記リンクより飛べるのでぜひ見てみてください。
金融クマさんTwitterアカウント
毎日の経済ニュースをわかりやすく詳しく書いています。毎週水曜日夜11時からはクマさんの金融ラジオをTwitterのスペースで行っています。
業種比較とは上図のことです。
これはS&P500の業種ごとのパフォーマンスを表しています。
上図を見ると一般消費財の銘柄や金融銘柄が強くて、ヘルスケアの銘柄が弱かったんだなぁとわかるわけです。
そしてこの業種の流れですが次の日の日本株にも影響与えます。
大きく上がった業種は次の日の日本株でも買われる傾向にあるのです。(下がった場合も同様)
ハイテク銘柄で良いニュースが出たら米国市場であがりますし、日本株でも上がるので注意してみておいてください。
- 株式指数の業種のことをセクターという。
- 個別銘柄の値動きにセクターの動きも影響を与える。
- 業種の動きは次の日の日本株の動きにも影響を与える。
Global Industry Classification System(GICS)という分類機関では11つのセクターに分けられています。
さらにこれら11のセクターから24の産業グループに分類され、68のインダストリーと、157のサブインダスリーに分類されるのです。
要はめっちゃ細かくグループ分けされているって感じです。
AKBもチームがいっぱいありましたよね。
48人だけじゃないやんってなったのと同じです。
今回はシンプルにS&Pが選ぶ11セクターをご紹介(もちろん、これらの下に各細かい業種が入っています。)
ちなみに東京証券取引所で分類されている日本株の種類は33業種です。
これらはざっくり覚えておいてもいいかもです。
- Financials(金融)
- Technology(テクノロジー)
- Communications(電気通信サービス)
- Consumer Discretionary(一般消費財)
- Real Estate(不動産)
- Consumer Staples(生活必需品)
- Industrials(資本財・サービス)
- Materials(素材)
- Energy(エネルギー)
- Utilities(公益事業)
- Health Care(ヘルスケア)
セクターの特徴(シクリカルとディフェンシブ)
これらセクターには大きく景気に左右されるセクターとそうではないセクターという分け方で大きく2種類に分かれます。
それがCyclical(シクリカル)とDefensive(ディフェンシブ)銘柄です。
シクリカル銘柄とは
シクリカル銘柄というのは景気の変動によって価格が上昇したり下落したりしやすい業種の銘柄のことを言います。
つまり景気に敏感な銘柄です。
シクリカル銘柄といわれる業種は以下です。
主なシクリカル銘柄が入る業種
- 素材
- 資本財・サービス
- 金融
- テクノロジー
- 一般消費財
- 不動産
ディフェンシブ銘柄とは
ディフェンシブ銘柄とは景気の良しあしに左右されない銘柄のことをいいます。
好景気不景気に関係なく必要なサービスってありますよね。
例えば石鹸、シャンプーの会社は不景気になっても皆さんはお風呂には入るので景気に左右されない銘柄となります。具体的には…
主なシクリカル銘柄が入る業種
- 生活必需品
- エネルギー
- ヘルスケア
- 電気通信サービス
- 公益事業
- 不動産
この分け方に正解はありません。
明らかにってものはありますが微妙なラインです。
ざっくりと今上がっている銘柄がシクリカルなのかディフェンシブ銘柄なのかを知っておくと景気がいいのか悪いのかがわかります。
- 業種には大きく分けてシクリカルとディフェンシブがある。
- 景気に左右されやすい銘柄をシクリカル銘柄
- 景気に左右されない銘柄をディフェンシブ銘柄という。
- 今シクリカルかディフェンシブどちらが上がっているかで投資家が経済をどのように捉えているかがわかる。
次は各業種ごとにどのような特徴があるのかをより詳しく見ていきます。
金融(Financials)
金融セクターをまとめたETFの動きです。
金融セクターは銀行や投資会社、クレジットカードに保険会社など割とイメージしやすいと思います。
景気に左右されやすいのでシクリカル銘柄に分類されます。
景気後退中はたとえば失業率が上がります。
仕事がそもそもできないとローンが返せなかったりクレジットカードが滞納されたりするので金融はもろに影響を受けます。
しかしこれら景気後退を回避するために金利を下げると今度はみんながローンを借りやすくなるので不動産ローン会社なんかは儲かりますよね。
景気が落ち込んで短期金利が下がりその後景気が回復してくるとインフレから長期金利が上がってきます。
銀行は短期金利でお金を調達し、長期金利で貸して儲けるのが業なのでこういった状況ではお金が入りやすい傾向にあります。
結論、金融セクターは景気の上がりだしの時に投資家のお金が入ります。
カード会社のVisaとか、銀行大手JPモルガン、バンクオブアメリカ、ゴールドマンサックスなどが金融セクターに入っています。
- 金融セクターは景気の左右を受けやすいシクリカル銘柄
- 景気が回復しだすときに株が上がりやすい
- カード会社のVisaとか、銀行大手JPモルガン、バンクオブアメリカ、ゴールドマンサックスなどが入っている。
不動産(Real Estate)
意見が分かれますが私は不動産は景気が復活しだして、金利が抑えられた景気の上がりだしで資金が入ると考えています。
単純に金利が高い時には資金は入ってこないですし、どうせ買うなら金利が低い時に買いますもんね。
さらに景気が悪くなると家賃低いところに引っ越しなどもするので結構シクリカルな一面もあり、とはいえすぐには退去できないので安定収入が入るという意味ではディフェンシブな面もあります。
キャピタルゲインかインカムゲインかでも違うのでなかなか難しい分類です。が不動産市場は景気を色濃く反映する市場なので常に見ておくことをお勧めします。
- 不動産セクターは一応シクリカルに分類
- 景気の上がりだしに上がる傾向がある
- 金利が低くなれば上がりだす。逆に金利が高い段階だとなかなか上がらない。
テクノロジー(Technology)
景気が中盤くらいまでくると今度はよりキャピタルゲインを得ようと会社が発展しやすいテクノロジー関連銘柄に資金が入ります。
テクノロジーに資金が言っていると景気がいいなって感じます。
このセクターがS&P500の中でもっとも大きなセクターです。
フェイスブック、アップル、マイクロソフト、グーグル、IBMなどパソコンなど機械を使う方は毎日触れているものがこのセクターに入ります。
これももちろんシクリカルな業種です。
またこういったイケイケどんどんで成長していく銘柄群のことをグロース銘柄ともいいます。
配当を出すような企業はなく、どちらかというと内部で再投資することで時価総額を上げていく会社が多いですので配当目的で買われる方は別のをおすすめします。
- テクノロジ―セクターは景気に左右されやすいシクリカル銘柄
- S&P500の中でも最大の割合を占めるセクター
- メタ(フェイスブック)やアップルなどが入っている
- グロース銘柄ともいわれ配当目的では買わないほうが良い。株価はその分伸びる。
一般消費財(Consumer Discretionary)
景気がしっかり伸びてきたなとみんなが思い出すと今度は一般消費財にお金が入りだします。
たとえば給料も安定してきて景気がいいなと思ったら皆さんは何にお金を使いますか?
おそらく「スタバでちょっとコーヒー多めに飲んじゃおう」とか、「ちょっとホームセンターで家具買っちゃおう」とか、テレビいいのに換えちゃおうってなりますよね。
それです。
スターバックス、AMC,ホームデポ、NIKEなど一般的に消費される財のことを一般消費財といい。人々がお金を使うようになったことが確認されるステージです。
- 景気の中盤~後半で資金が入るのが一般消費財セクター
- スターバックス、AMC,ホームデポ、NIKEなど一般的に消費される財
- 人々がお金を使うようになった景気がいい証拠
資本財(Industrials)
景気の中盤くらいで盛り上がる業種が資本財です。
みなさん家具とかいろいろ入れ替えてさぁお金余りましたってなったら旅行とか行っちゃいますよね?
資本財にはこういった航空系の銘柄も入ります。
デルタ航空、ボーイング
あとはみんなが買ったらその需要を満たすために生産が必要です。
そういった電気素材メーカー3Mなどの製造系の会社もこのセクターに入ります。
素材(Materials)
こちらも同じく中盤で盛り上がる業種。
これも景気に敏感なシクリカルセクターです。
ひとつ前の資本財と同様需要と供給にものすごく左右されます。
具体的にどういう業種かというと木材、コンクリなどの建築原料を科学的に生産したりといった企業です。
化学メーカーのデュポン
など化学系のメーカーなどが多くこの業種に入っています。
ガスや化学品を事業用に売っているAir Productsなんかもそうですね。
なかなか日本に住んでいると聞いたことがない企業が多いです。
日本株でいうと信越化学、旭化成、三菱ケミカル、住友化学、住友林業などが素材セクターに入ります。
- 景気の後半で人々がモノをつかうようになってくると材料が足りなくなる
- その結果、資本財セクターや素材メーカーの株が上がる
- 景気に左右されやすいシクリカルセクター
エネルギー(Energy)
この一つ前で航空なんかが活発になってくると需要と供給から次に上がりだすのがエネルギーです。
とはいえエネルギーは超といっていいほどシクリカル。
サウジとロシアとか問題が起きれば真っ先に値段が動きます。
なのでこのサイクルで次買われるなってよりはもっと地政学的なニュースに左右されるイメージですね。
エクソンモービル、ロイヤルダッチシェル、シェブロンなど最近バフェットもお金を入れだしていると噂の業界です。
生活必需品(Consumer Staples)
景気が頂点に来てすこし下り坂になりだすと、今度はディフェンシブセクターに銘柄が寄っていきます。
その代表格が生活必需品です。
これは我々が生活するにあたってどうしても消費しないといけない商品のことです。
たとえば石鹸とかシャンプー、食べ物類なんかは景気が良くても悪くても生活するうえで必需品ですよね。
こういった銘柄は景気が悪い時でも守りの銘柄として有名です。
P&Gやコカ・コーラ、コストコなどが日本人にはなじみがあるでしょうか。
とりあえず家族で買いに行く商品がある業種です。
公益事業(Utilities)
みなさんの生活に欠かせない電気、ガス、水道などが公益事業になります。
これも超といっていいほどディフェンシブ銘柄、みなさん景気が悪くなったからと言って水飲まない、風呂入らないとはならないとおもいます。
そしてこれらの銘柄のもう一つの特徴は配当が大きいということです。
基本的にディフェンシブ銘柄は成長に重きをおいているテクノロジーと違って安定経営です。
株主還元も多く、配当を出します。
世界的なエネルギー会社AESやDuke Energyなどはご存じでしょうか。
ここもなかなか日本人はなじみが薄いかもですね。関西電力などの電力会社がイメージしやすいでしょう。
ヘルスケア(Health care)
景気が悪いからと言って「病院に行くのやーめた」とはならないと思います。
薬品、医療サービスなどを提供する企業です。
ヘルスケアもがっつりディフェンシブ銘柄です。
こういった医療銘柄はS&P500が下がっている日でもこっそり上がっていたりします。
ジョンソンアンドジョンソン、ユナイテッドヘルス、サーモフィッシャー、アッヴィなど米国株にコアな方はご存じの企業が多いのではないでしょうか。
実は米国のヘルスケア事情は成長がものすごく、特に治験が日本に比べて緩かったり動物実験ができたりなど製薬会社も利益が上げられやすいのです。
ヘルスケアETFは面白いと思います。
コミュニケーション(Communications)
これはシクリカルかディフェンシブかどちらに入れるか悩ましいジャンルです。
みなさんの携帯電話などの通信機器、インターネットサービス、映画、テレビなどが入ります。
不景気でも携帯なんかは使いますし、かといって解約して安くする人もいると思います。個人的にはディフェンシブかなーと思っています。
AT&Tは有名なコミュニケーションサービスですね。日本だったらauとかソフトバンクとかですかね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。セクターを通じて景気の波を見れましたね。
それぞれの経済タイミングで人気の業種が移り変わっていっています。
今回は結構1年スパンくらいの移り変わりを紹介しましたが、もっと短いスパンで動いていたりします。
最後にこれら全てを合わせた時の株価の動き方を図でおさらいしておきます。
こちらはフィデリティ投信がまとめている景気の序盤、中盤、後半にかけてどの業種が上がるか下がるかを表したものです。大変参考になります。
こうやってみるとサイクルが見えてきますよね。ということで
金融の波に乗るセクターローテーションの話
むやみやたらと投資するよりはいいかと思います。
また機会あれば日本株Verでやりたいと思います。
おまけ(今どこなの?)
では今実際どこなのかというのも述べますね。
現時点2023年6月は債務上限問題を乗り越えて雇用、賃金が強く、失業率は上がりだしているもののまだ足りないという状態です。当初でいうと好景気後半(Late)の部分だったわけですがなかなかリセッションに陥りません。
プロの方はみんなこのリセッション待ちなのですが、待っている間にハイテク銘柄などが上がりだしました。
しかし、ここでカナダ中銀、オーストラリア中銀が予想外の利上げを発表。
そしてアメリカ、ECBもまだ利上げをする可能性が浮上してきました。
となるとり迫りくるリセッションまでまだ期間的な余裕があるので今下がっているものに仕込みましょう。
ということで個人的に目をつけているのがヘルスケアです。
ここ最近株が好調なためヘルスケアは大きく下げていました。
何回かに分割をしてヘルスケア銘柄に仕込んでおくのはありかと思います。
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