主要指数一週間の動き
先週の金曜日から金利が低下、利上げ観測が弱まり、ハイテク銘柄を中心とした上昇相場になりました。
特にハイテク銘柄が多いナスダックは4%を超えて上昇。
業種別に見てもIT銘柄は5%を超える上昇。
またそれよりも大幅に上昇しているのがエネルギー株でした。
米国債利回りのイールドカーブは10月12日からみたら大幅に上昇していますが、この一週間では落ち着いて下がってきています。
特に2年債の利回りが低下。
金利の低下もあり、元々上がりまくっていたドル円は先週金曜日一時151.944円まで到達後に大きく下落。
日銀の介入かと騒がれていましたね。現在は147円付近で推移しています。
そのほかの通貨に対しては対ドルの影響が強そうです。完全にドル安という印象です。
特にポンド円は3.25%の上昇。新首相の就任も通貨の後押しをしているのでしょう。
ドル円の今後の予想としては前回高値を抑えられていた抵抗滞145.000円まではすんなり落ちてくると予想しております。
イギリス新首相はインド系リシ・スナク
電撃イギリス首相交代で新首相になったのはインド系イギリス人のリシ・スナク氏。
なんとゴールドマンサックス出身ということで親近感湧きます。
彼は祖父母がインドからイギリスに移民してきた家系でお父様は医者、母親は薬剤師ということで英国一流私立を卒業後ゴールドマンに行き、スタンフォードでMBAの取得を目指していた時に妻のアクシャタさんと出会い結婚。
その後ヘッジファンドに行き政界入りという
バリバリのビジネスマンです。
彼の就任演説を今日見たのですが、はっきりと今が不況の時代で自分がこの不況から復活させるという政策を述べています。
前首相がめちゃくちゃな減税案を打ち出してさらに経済をかき乱したのでそれとしっかり線引きをして自分の評価をみてもらう生甲斐を感じましたね。
さて、実はこの奥さんのアクシャタさんは総資産2000億円以上の大富豪でファッションブランドも経営されているようです。
それもそのはず、お父様はインド有数の億万長者ナラヤナムルティの娘でソフトウェア会社「インフォシス」の創業者でインドのビルゲイツといわれています。
彼女はインフォシスの株式を0.91%持っているので総資産は2043億円といわれているのです。
さて、インフォシスの株価を見てみます。実は米国に上場しているので下記が株価チャート。
下落トレンドラインをブレイクしてちょうど上がってきています。
このニュースが原因かは定かではない(たぶんちがう)ですが、これを機にインド株を見てみましょう。
インドの主要株価指数はSENSEXと呼ばれており、日本でもSBI,楽天で取引できます。
インド株式市場の代表的な指数でボンベイ証券取引所に上場する銘柄のうち、流動性、取引規模、業種などを代表する30銘柄で構成されています。
SENSEXのセクター別ウェートを見てみると金融がトップその後ITと続きます。
特にここ最近は金利の上昇もあり、インドの銀行も引き上げて利ザヤが増加。SENSEXは調子よく値を上げています。ここで面白い図を貼っておきます。
1990年からの比較チャートですが、S&P500が+997.5%なのに対してSENSEXは+8555%です。
まぁ1990年にインドに投資するなんて誰も思いつかなかったので現実味は薄れますが、ここ2022年からも復活が早く伸びだしているのがわかると思います。
買いたいという場合はiシェアーズ・コア S&P BSE SENSEXインディアETFで検索していただければ商品に出てくるはずです。
S&P500のバリュエーション
S&P500が年初来より低下を続けていますが市場関係者にはさらに落ちる派とここから上昇する派がプロの中でも分かれています。それに際して各社出しているのがS&P500のバリュエーションです。
プロの人たちがどちらを予想しているのか、そしていくらを予想しているのかを最新のレポートで見てみましょう。
こちら有名なフィデリティ投信のグローバルアセットアロケーション部門に所属するディレクター、Jurrien Timmerによる分析。
彼は将来の収益を割り戻した値が現在の適切な水準ということで2年債、10年債利回りを用いることで修正版PEレシオを計算しました(オレンジ)。青が実際の今のPEレシオですね。PEレシオは日本人にあまりなじみないかもですが、PERと聞いたらわかるでしょうか。
1株当たりの株価を1株当たりの収益で割り算した値です。
ちなみに1株当たりの収益(EPS)は純利益(単独えっさんは税引前収益)を発行済み株式数で割って求めます。
さて、この現在のPEレシオとFidelityが出したPEレシオを比べるとFidelity版は13.5倍を示しています。
この13.5倍まで株価が落ちるのが妥当だとするなら、S&P500の現在の価格が3859が3200まで落ちないといけない計算です。
そのためこのアナリストはここからさら9%ほどの下落を予想しています。
少し古いデータですがこんなのもあります。
各社Wallstreetの2022年S&P500のターゲットです。たしかゴールドマンは年末の株価を3600に9月ごろ引き下げたのが反映されているので割と新しい情報だと思います。
各社プロの中だけでもこれほど分かれているわけですね。
JPモルガンのストラテジストMarko Kolanovicによると200日移動平均線を基準として考えるべきでこの線を超えると1000億円規模の資金が入ってくるそうです。
ラージキャップの企業は買うべきではなく、S&P600などの小型ETFなどがおすすめだそう。(以下チャート)
底堅い動きを見せてますね。
ゴールドマンの予想からみる住宅賃料の指標の違い
ゴールドマンの最新レポートによると現在計画されている利上げ計画がさらに引き上げの方向になる可能性が住宅市場から見るとわかるといいます。
米国には住宅関係の調査をしている会社がCoreLogic,Costar,Zillow,Yardiなどがあります。
これらも米国の賃料を調査しているのですが毎月発表されているCPIにももちろん家賃というのは非常に大きなウェートを占めます。
ここで注目なのは米国の民間調査会社は新規賃貸の賃料のみ集計する一方、CPIは既存と新規両方調査するそうです。そこでこの図を見てみると、
わかるのですが、新規だけを調査に入れた数値の方が明らかにCPIよりも大きいということです。
みなさんも人に家を貸すとしたら値上げのタイミングって新規で入れる時で既存の値上げってしないですよね。
ということで本来ならかなり家賃は上がっているというデータそしてこの2つのデータのギャップが2023年中旬くらいまで続くということでコアCPIの約40%を占めているこの家賃が高いままだとFEDは計画よりももっと厳しめの利上げをするかもしれませんねということです。
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