目次
主要株価指数1週間の動き
先週、今週にかけては年末最後の指標やニュースの嵐、結果からみると世界的に株価は上昇。特に昨日のCPIの結果が大きかったように考えられる。
昨日の発表後は大きく上昇して始まったが変動が大きく、結局大きく上がらずマーケットは閉じた。
12月13日CPIの結果は下振れ
食品やエネルギーなど変動が大きいものを除いたコアCPIは前月比で過去1年間の中で一番低い伸びになり市場予想を下回ったのでインフレの鈍化がみられたという判断でマーケットは買われたものと
みています。
これにより金融引き締めの観測が後退していることが好感持たれていますね。いずれにしろ今夜のFOMCでのパウエル議長の発言が大きなポイントになります。
今日は少しこのCPIを深堀していきましょう。CPIとは何度もこちら紹介しておりますが、家計が購入する消費やサービスの価格動向を示した指数のことです。
簡単にいえば物価の上昇具合がわかるわけです。みなさんが生活している中で給料を受け取り、その給料の範囲内で生活をしていると思います。
仮にこのCPIがめちゃくちゃあがるとは給料の範囲以上に物価が上昇してしまって生活が難しくなってしまうわけです。その中でも食品や原油などは季節やイベントによって変動が激しいので長期の予想には使えません。そこでそれらを除いたコアCPIというのに注目しているわけです。
このインフレの度合いをはかり、過度にインフレが上がると先ほど挙げたような問題が起きるので中央銀行は金利を上げることで市場を落ち着かせ、物価を抑えるわけです。
この落ち着かせる行為が利上げで、株価が落ちる最近の原因になっていたわけです。
その物価の上昇が収まってきたということはストッパーをそろそろ緩めてもいいんじゃない?ってなるので株が上がるわけです。
債券利回り推移
各種債券利回りの推移(イールドカーブ)先日のCPIで市場予想を下回ったことで、一時債券価格は急伸したが、その後は大きく売られて若干利回りは上昇して終わっている。
為替1週間の動き
昨日のCPIの結果もあるが、ドルが売られている傾向にある。そして各国引き続き利上げを行っておりその通貨ペアは注目、現状特にニュースに出ているのがNZDとCHF。
この2つは下記のようにニュースに出ており、積極的な利上げ姿勢が見て取れる。今後FRBの利上げペースが落ちればそれに合わせてファンダメンタルズ的に買ってみてもいいだろう。
コモディティ
天然ガスが急伸。国債エネルギー機関IEAの予想ではEUにおいて2023年に天然ガスの不足が予想されているというニュースが出た。需要と供給の関係から価格は急伸。月曜日に出したレポートで、今後ロシアのパイプラインが停止し、輸入の液化天然ガスが困難になった場合、EUの備蓄の足りなさを明らかにした。
結論、中国のゼロコロナ政策復活にかかっているようで、中国が2021年以前の状態に戻るのならば天然ガスは足りなくなるみたいです。こちら引き続き注目ですね。
おまけコラム:GSが予想する2075年の世界
GSが最初に予想した世界の構図が約20年前、当時BRICSと聞いたことある人も多いでしょう。
たしかに私も子供の頃BRICSが来るぞーって言われていたような気がします。当時はインドに住んでたのですが、この国ほんまに来るんかなって疑問でした。
最新のゴールドマンのレポートでこれの2075年バージョンが出ているので要点をご紹介。
人口減少によって今後世界の成長スピードは緩やかになる。
世界の成長率は今後10年間(2024年~2029年)で平均2.8%を予想している。ちなみにリーマンショックまでがだいたい3.6%/年。コロナまでが年3.2%。そしてそこから労働力の減少から成長率は減少する。世界の人口は年2~1%で成長してきたが、2075年までにゼロになることを予想する。そして先進国も発展途上国も成長率は共に減少していく傾向にある。これは人口予想を基にしている。そしてこの人口減少が顕著な国が今後数年間で危機的状況になる。
新興国の成長率は先進国を上回る。
2050年の最も経済的に強い国5つは中国、アメリカ、インド、インドネシア、ドイツになるだろう。過去GSが予想していたBRICSに対して、中国、インド、インドネシアはアウトパフォームしていたが、ロシア、ブラジル、ラテンアメリカはかなりアンダーパフォームだった。今後30年間で世界のGDPはよりアジアにシフトすると考えている。中国のGDPレベル予想ではアメリカを2035年に追い抜くと計算している。
2075年にはナイジェリア、パキスタン、エジプトが最も大きな経済圏になる。
数十年あったアメリカ例外主義は今後通じない。
ここ数十年。強すぎるアメリカ経済によって株価は押し上げられてきたが、これらのつよさは例外的であり、今後は継続しないと予想している。今後の発展途上国の成長もこれほどは強くない。アメリカドルの強さも次の10年で弱まると予想している。
世界の不平等さは緩和され、ローカルの格差は広がる。
収入に関して、発展途上国が先進国に追いつくので、国ごとの収入の格差は縮まるが、国の中での格差は広がる傾向にある。
結論
結局我々の投資にどう活かせるかというと、今まで通りアメリカ一択で資産形成やインデックス投資をしていてももちろん利益は将来出るかもしれないが、今まで程の伸びは期待できないという部分である。そうなると新興国銘柄やETFを組み入れたほうが良いし、怖かったら全世界株式に投資するETFなんかに投資しておけば勝手に国の強弱でMSCIが入れ替え戦をしてくれるので非常に便利である。
モルスタ予想来年の占い
モルガンスタンレーの来年の株価予想が出ていたのでご紹介。
- 10年国債利回りは、2022年10月の4.22%という14年ぶりの高水準に対し、2023年の終わりには3.5%になると予想。つまり債券買われる。
- 住宅ローン担保証券などの証券化商品は上昇します。
- S&P 500 は 2023 年までに 3,900 前後で足踏みをしますが、途中で材料が変動します。
- 米ドルは 2022 年にピークを迎え、2023 年まで下落します。
- 新興市場と日本株は二桁のリターンをもたらす可能性があります。
- 石油は金と銅を上回り、2023 年末には世界の石油ベンチマークであるブレント原油が 110 ドルになるでしょう。
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