主要指数一週間の動き
先週一週間は基本的に上げてはいたものの13日のCPIで一気に行ってこい状態となり結果で見るとマイナス圏に落ち着いた。
先週の予想通りの場所でS&P500は跳ね返ったもののその後上値の抵抗体に跳ね返されて戻ってきている。
次の注目点は下のレジスタンスラインを割り込んで大きく下落するかであるが、9月の中旬くらいには例年大きく下落しているので構えておいたほうが良さそう。
最近特に多く見るのが2008年のリーマンショックと比べた図である。
これらは2008年と今の株価推移が類似していることを表示しているが正直天井を迎えた株価が落ちる時はだいたいこういう流れを取っていることである。
根本的な問題がリーマンショックと違う以上テクニカルだけで全く一緒とは読み取れない。実際天井付近の株価の類似性はないように思える。
CPI発表(9月13日)
昨日13日にはアメリカの重要な指標であるCPIが発表されました。8月の米消費者物価指数が日本時間21時30分に発表され、予想を上回る伸びだったため、22時30分からのアメリカ市場では初めから急落。
全体で市場予想前年比8.1%に対して、8.3%。
コアの前年比市場予想は6.1%に対して、6.3%
その後延々と下げる一日となりました。S&P500は前日比4.3%安、ダウは3.9%、ナスダックは5.2%と2020年以来の大幅安を記録しました。
そもそもCPIとは…
CPIは家計が購入する商品やサービスの価格変動を表す指数で、これが大きく上がるとインフレという現象になっていることになります。
現在世界が注目しているのはこのインフレをFRBが利上げで押さえようとしている点です。
つまりインフレが起きているニュースが出ればさらに利上げを積極的に行っていく姿勢がみられて株にとってはマイナスなのです。
株は下落、ドル円は上昇、債券利回りは上昇という結果なのですが、いろんな著名人がコメントしているように最近かなり市場は楽観主義だったので今回のCPIからの利上げ期待で一気にお灸をすえられる感じになりました。
この結果を経て、市場は次の利上げ会合のFRBでどれくらい利上げを予想しているかというFed Watchを見てみるといままで75bpsの利上げ予想が濃厚だったところに1%(100bps)の利上げ確立が34%と、大幅な利上げ予想まで出てきました。
為替一週間の動き
CPIによってドルは大きく買われたがそこまではドル円は下落しており、下がって上がった一週間。
終わりだけを見ると結局上がったのはUSD/CADとGBP/USDだけになった。
全体的に先週の楽観モードから一気に戻されてその通貨ペアも動きがない。
今後のドルどこまで上がるか問題
CPIの結果を受けてマルチカレンシーチャートで各国の通貨の強さを見てみるとドルが大きく買われたことがわかる。
先週のTwitterのスペースでも話題になりました。
今後のドルどこまでいくという悩みですが、為替には実需と為替目的の注文があります。
長期(5年~)スパンで見た時はたしかに実需つまり経済力の低下など大きなトレンドを見たらいいと思うのですが、今後1年~2年のスパンでドル円の動きを予想するときには投機ポジションを見ることをおすすめします。
ドル円というのでみるとドルは利上げを継続しているでは円で見た時の投機筋の注文を見てみよう。
こちらはシカゴ先物の投機筋の円のポジション推移です。
少しタイムラグがありますが投機筋がどういう目線で円を買っているかが見れます。
アップデートの最終日が9月6日なので大幅にドル円が進んだ最近は反映が少ししかされてませんが参考になります。
明らかに円を売るポジションが増えています。NETポジションとは買いポジションと売りポジションの差です。
下向きに棒グラフが出て増加しているということは、買っている人より売っている注文が増加したことになります。
つまり円を売っている人が多く、円安に推し進めていることがわかりますね。
今年の4月あたりは10万枚の売り越しになっていますがまだ現状5万8000枚の売り越しです。
まだまだ余力があることがわかります。
ちなみに投機筋って?って思う方も多いと思うのですがヘッジファンドやCTAといわれる投資家が投機筋といわれています。
コモディティ関連
1週間で見てみるとやはり天然ガスの供給懸念は高まり、先週から+8.54%という結果になった。
一方金などはCPIの結果を受け金利、ドルが上昇したこともあり、逆の動きをして売られた結果になった。
こちらは天然ガスの在庫を示したものだが明らかに必要備蓄までにどこも不足している状態である。
今後も需要に対して供給は足りない状態は続きそうです。
金利の話
最近金利の上昇が激しいが、そもそも金利ってなに?イールドカーブってなにというのをまとめておく。
こちらアメリカ国債の利回り曲線いわゆるイールドカーブである。
一般的には純イールドと言って短期のものより長期のものが金利は高い。
しかしインフレに対抗するための急激な利上げをすると短期金利が影響を受けて上昇。
結果長短金利が逆転する逆イールド減少が起きてしまい、過去のデータからすると逆イールドが起こるとリセッションという景気後退が起きます。
こちらは1年債と10年債の利回りを比べたものですが見事に逆転してます。
こちらのサイトGuruFucusでは動画形式で金利がどのように動いたかを株価推移と共に見ることができる。逆転をしたすぐ後にグレーの部分(リセッション)が起きてますね。
金利を下げるということは株価にプラス影響を与えます。
結果としてS&P500が今後伸びないといっている専門家の多くはこれまで何年もかけて金利が下がってきたことを例にあげます。
もう下げる余地がなければ株価へのプラス影響も限られますからね。
とはいえ分散投資で安定しているので言えば今のところアメリカに投資するのはありだと思います。
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