目次
主要株価指数1週間の動き
株は今年に入ってから上昇でスタート。特に香港上海は上昇。ブラジルは8日に起きたボルソナロ派の暴動があったにもかかわらず大きく週間で見ると上昇している。
世界的に大きく反発。VIX指数も下がっており、S&P500は1年間続いたトレンドラインにチャレンジしている。雇用統計が結果を下回ったことによる利上げ気運後退によりどれくらいまで戻せるかが焦点。
S&P500セクター別パフォーマンス
セクター別パフォーマンスで見ると明らかにリスクオンムード。ヘルスケア部門はもともと去年の利上げで株が全面安の中買われていた業種。今年に入り、売られる一方、他の業種で株価が回復していることからリバランスフローが入っているのではと考えられる。
米債利回り
10年債利回りは低下。ドル指数を見てもドルが大きく売られていることがわかる。長期的に見た時のインフレ懸念はだいぶ和らいできたと考えられる。
為替1週間の動き
CPI発表前にあまり動きはないが、ドルと円が両方売られていることがわかる。去年の年末予想していた通り、今年は引き続き利上げを考えているユーロドル、ポンドドルでの上昇を見込む。
今まではドル円もドルと円の金利差を意識して動いていたように見えるが、円が金利を上げて、ドルが下がっているのにもかかわらず円高方向にはいかず、金利だけでは2023年は考えられないことがわかる。
コモディティ1週間の動き
今週注目は銅価格。ドクターカッパーといわれている銅だが、世界経済の先行指数として使われている。というのも銅はあらゆる工業製品に使われているからである。実際にはそのほとんどを中国経済に頼っており、中国指数とみる人も多いが、実際に重ね合わせてみるとご覧の通り。
こちらは世界株式(ACWI)と銅先物価格を比べた図である。(週足)
大きくはトレンドが似たような動きをしているが転換点ではオレンジの銅価格が先に切り返しているのがわかる。特に銅価格が先に反対のトレンドを出すダイバージェンスが起きた時にはトレンドが転換することが多い。
ただ、これらは週足で出しているので少し広い目で期間を見る必要がある。
最近の気になるニュースTOP3
・13日から始まる大手金融機関決算。ファクトセットによると各行の22年の10-12月期の合計利益は前年同期比15%減の280億ドル程度になると予想。金利の上昇により銀行系には追い風だがM&Aブームが過ぎ去った投資銀行系の金融機関には向かい風となっている。ゴールドマンサックスが大幅なリストラを行う予定なのも2021年は活況だった投資銀行部門から始まる。
・マイナスの年の次は?1928年からのデータによると過去1928年から計測したときに年始からマイナスの年が2回続くのは合計8回しかなかったらしい。全体からするとわずか9%ということは過去のデータから見れば今年は上がって終わる可能性の方が高い。
・UBSの不動産市場予想によると海外勢が日本の不動産に避難場所を求めている。12月に利上げをしたとはいえ、世界的に見ても金利とオフィスのイールドスプレッドはまだ広い。2023年も円安ドル高を予想している。
年末年始見た、金融、ビジネスの参考になる映画
①ペプシよ、戦闘機はどこに?
これは実際にあったお話で、よくシールを集めると景品がもらえるみたいな企画ってありますよね。ペプシがそれで700万ポイント集めると戦闘機をプレゼントというCMを冗談で出したんですが、そこに注意書きを書かなかったために本気で計算して集めたほうが割安だとわかった大学生が実際に集めてペプシを訴える映画です。アメリカのこういう頭の使い方うまい人見ると発想に驚かされます。
②ビリオンダラーコード
みなさんはグーグルアースを使ったことありますか?あの地球をめちゃくちゃズームできたりするやつです。あれ実はグーグルが作る10年以上前にヨーロッパの方で大学生2人が作ってたんです。グーグルがそのあと技術を盗んで商品リリースしたのが今は有名ですが、これら2人が権利を主張して訴えるんですね。
それら2人の軌跡を描いた実話です。これもおすすめです。
③キングオブスカム
最近よくツイッターなどで排出権取引について話しているのを耳にしている人も多いと思います。こちら日本でも今後必ず注目される投資商品ですが既に取引所もあるヨーロッパではそれの税制を使った詐欺まであった過去があります。もしかしたらそういった排出権に興味ない人にとってはイマイチかもですが個人的にはおもしろかった一作です。
被害総額640億ドル、巨額の投資詐欺で2008年12月に逮捕されたナスダック元会長バーナード・マドフのお話。1960年から約48年間ポンジスキームをし続けたすごい人です。
すごいって言っちゃいけないかもですがそれほどマーケットから信頼を集めてナスダックの会長にまでなるんですから恐ろしいです。この映画を見てわかりますが、ポンジスキームがメインではなくあくまで副業として長年行っていたのが詐欺ビジネス。本業だけでもしっかりとマーケットメーカーの会社としてビジネスのセンスがあったことがわかります。
そんな彼ですが2009年に最高刑である150年の禁固刑が宣告されましたが2021年4月に亡くなっています。
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